協会とは?特徴から設立の流れまでを協会の専門家が解説!

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「美しい協会」のつくり方を体系化しました。

「協会をどうやってつくったらいいかわからない」
「協会をどんな順番でつくっていったらいいかわからない」

という人のために、協会づくりの大切なポイントをいちばんわかりやすくご紹介させていただきます。

協会とは何か?

協会の勘所について動画で解説しました。(視聴時間:4分40秒)

 

協会とは、ある目的のためにみんなで協力し合って達成させていく団体のことです。

ある目的とは、理念のことです。理念とは、理事長さんの世界観のことです。理事長さんが理想とする社会はどんな世界なのか?協会は、理事長さんが描く思いをカタチにする団体になります。

協会づくりの8つのポイント

協会づくりを8つのポイントに分けました。これに沿って解説していきます。

1  まずは理念

2  任意団体でもいい

3  一般社団法人がちょうどいい

4  ビジネスっぽくやらない

5  仲間づくりが大切

6  資格講座があるといい

7  先生になれる仕組みはないほうがいい

8  ブランディングになる

まずは理念

僕が定めた協会の定義があります。

ある目的のために みんなで協力し 達成していく団体

目的は理念のこと

ここでいう目的というのが、協会の「理念」になります。

理念は言いかえれば、「理事長さんの世界観」になります。

会員が活動する

協会はスタッフがはたらくのではなく、「たくさんの会員さんが活動する組織」です。

会員さんが活動することで、社会を変えていくことです。

なので、協会のスタッフは、会員さんが輝いて活動する環境を整えることが仕事です。

ここが会社と協会の大きな違いになります。

協会は「思いをカタチにする団体」です。理事長さんの思い、つまり「理念」をたくさんの会員によって実現していくことが本当の意味になります。

任意団体でもいい

協会は、「よし、協会をつくろう!」と思った時点で、協会設立です。

この場合の協会は、任意団体になります。そしてこの場合の協会名は、屋号(称号)の扱いです。

なので、協会を個人事業主ではじめることになります。

一般社団法人がちょうどいい

協会が大きくなり、そろそろ法人にしようかな、と思ったときには、一般社団法人が適当です。

株式会社でも、NPO法人でも、協会をつくることができますが、一般社団法人がその間をとって、ちょうどいいです。

一般社団法人は、非営利団体です。社会を良くしようという組織です。

ちなみに、一般社団法人の設立には、だいたい12万円くらいかかります。

ビジネスっぽくやらない

いま一般社団法人を立ち上げて、「〇〇協会」の名乗ってビジネスにしよう、と起業する人が増えています。

でも、協会という性質上、ビジネスのように運営すると、どうもうまくいかなくなるのです。「協会」と名乗ってお金儲けを考えてしまうと、不思議とほころびはじめます。

利益でなく、理念を優先する

協会は会社と違って、利益の追求を優先させないほうがいいです。

たくさんの会員さんが集まって組織している協会では、お金が優先される世界は馴染まないのです。

協会は、理事長の理念を実現するために存在する組織です。理事長さんが「こんな社会になったら幸せだろうな」というビジョンを実現することです。その理念に感動して集まる多くの会員によって構成される組織が協会です。

ちなみに、この本質を理解できれば、会員さんがたくさん集まります。すると、協会の収益は上がります。

仲間づくりが大切

理念ができあがったら、理事やスタッフを集めましょう。理事やスタッフを選ぶ基準は、世界観を共有できる人がふさわしいです。

そして、理事長さんの理念を実現してくれる会員さんを集めましょう。協会に向いていそうな会員さんを集めるようにしてください。

「オオカミ」と「ヒツジ」理論

僕はよく「オオカミ」と「ヒツジ」にたとえます。

これは良い人と悪い人という分類ではなく、ビジネスの好きな人と群れるのが好きな人といった違いと思ってください。

僕のおすすめする「美しい協会」をつくるには、ヒツジさん集めをすることです。

なので、オオカミの理事長さんは、ヒツジさんの気持ちを感じられるようになることが大事です。

資格講座があるといい

協会という組織は、業界団体や組合、研究会、委員会、推進会、審査機関、同好会、サークル、コミュニティなども含みます。そういった組織では、必ずしも資格講座や検定試験が必須ではありません。

なにかを学んだり、身につけたりする協会の場合には、資格講座か検定試験があることが大事です。

資格講座や検定試験がない場合には、課題の提出など、なんらかのハードルがあるほうがいいです。ちょうど自動車の教習所のようなイメージです。

先生になれる仕組みはないほうがいい

これはよく誤解されるところで、かつ、とても重要なポイントになります。

協会の資格講座をつくる際に、上級コースを受講すると認定講師(先生)になれる、という仕組みにします。「インストラクター養成講座」などとネーミングします。

でも、これ、つくらないほうがいいです。というか、つくるとよくないです。

こういう仕組みを「協会ビジネス」と言いますが、こうすると、今まで語ってきたことが台無しになります。

「先生になれる」「インストラクター養成講座」「仕事になる」「儲かる」「フランチャイズ展開」は、オオカミさんが好きな言葉です。

でも、ヒツジさんたちは、嫌いな言葉なのです。こういう言葉を使っている協会には、ヒツジさんたちは集まらないのです。

受講生が講師になる仕組み、すなわち「フランチャイズ型の協会」をみると、ヒツジさんたちは避けます。美しい協会をつくるときには、タブーなのです。

「協会は講師をどんどんつくらないといけない」

と誤解している人が少なくありません。

「講師になるというメリットがなければ受講してくれない」
「資格講座というのは講師を育てるものだ」

と思い込んでいる人がたくさんいます。これも誤解です。

先生を無理に養成しなくても、会員さんを増やすことで協会が成長する、というスタイルで行っている協会はたくさんあります。というか、むしろそっちがほとんどです。「資格講座=純粋な学びの講座」です。

ブランディングになる

協会というのは、その分野の専門家集団として目立ちます。

協会をつくるということは、その分野の専門家としてブランディングできる機会になります。

ティーチャーズ・ポジション

僕は協会を運営するにあたり、ひとつの目標にするといいのが、ティーチャーズ・ポジションを取ることだとお伝えしています。

ティーチャーズ・ポジションとは、その道の「第一人者」として、世の中から認められることです。

ティーチャーズ・ポジションがとれると、企業からコラボレーションの依頼が来たり、メディアから取材のオファーが届いたりします。

それはビジネスが大きく拡がるチャンスになります。

まとめ

協会をつくって、資格講座を行うということは、協会の理念に沿ったたくさんの会員さんたちが生まれることを意味しています。これは、理事長さんの思いを背負った分身をつくることだと言えます。

個人のビジネスでは実現できなかった大きなスケールの社会貢献ができるようになります。とても幸福度の高い活動ができます。

協会を設立して、たくさん社会に還元してください。しっかり稼いでいただいて、多くの人の役に立つ活動に邁進してください。

 

協会ルネサンス
吉岡岳彦